2012年02月27日
周防灘に浮かぶ長島の田ノ浦の海岸で約14haの海を埋め立て、改良型沸騰水型炉(電気出力137万3000KW)2基を建設するのが上関原発計画だ。1982年に計画が浮上して以来、30年にわたって、建設の賛否をめぐる議論が続いてきた。とくに原発建設予定地から約3.5km離れた対岸の祝島では、島の住民約500人の大半が反対の意思を表示しており、島内での反原発デモは1100回を超える。事故が起これば放射能を遮るものがないことへの不安や、埋め立てによって貴重な漁場が失われたり海を臨む景観が損なわれたりすることへの抵抗感が、長年の反対を支えてきた。
守る会が8人の有志によって結成されたのは1999年のこと。環境影響評価法(環境アセス法)が6月に施行される直前の4月に、中国電力が旧アセスによる調査書を提出したのが、きっかけだった。近くにいるはずのハヤブサやスナメリが載っていないといった疑問から始まって、専門の研究者を交えた調査を市民の立場で進めた。そして訪ねてきた研究者から「世界的に珍しい生きものが多くすむ」「瀬戸内海に残った生物多様性のホットスポット」といった評価を聞いた。
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