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そもそもヘンなデジタル著作権

久保田裕

 「本書をコピー、スキャニング等の方法により無許諾で複製することは、法令に規定された場合を除いて禁止されています。請負業者等の第三者によるデジタル化は一切認められていませんのでご注意下さい」

 一昨年くらいからだろうか。こんな、おっかない感じの「警告文」が、新刊本の頭か最後に印刷されるようになってきた。紙の本をスキャナーで読み込んで自家製のデジタル書籍を作る、いわゆる「自炊」。これを、代行業者に頼んでやってもらうと違法になるぞ、ということを読者に「警告」するために付けられている文章だ。

 さあ、これから楽しい読書にいそしもうという時に、こんな脅かされるような文章を目にすると、読書の楽しい気分も一気になえてしまう。だが、こんな「警告文」を書籍にすり込まねばならないほど、いまの出版業界は、「自炊」という行為に危機感を抱いているということなのだろう。

 自分でデジタル化せずに、業者に書籍のデジタル化を頼むのは、確かに著作権違法となる可能性が高い。しかし、WEBRONZAで前にも書いたように、自分自身で行うのならば、「自炊」はまったく合法の行為だ。

 「自炊」が合法である以上は、書籍がデジタル化され、ネットなどに流出されることがいくら怖いからと言って、こんな「脅しまがい」の文言を書籍に刷り込んでも、あまり効果も意味もないのではないだろうか。

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筆者

久保田裕

久保田裕(くぼた・ひろし) 

【退任】1983年、朝日新聞入社。「メディカル朝日」次長、「朝日パソコン」次長、「ドアーズ」編集長、「朝日ジュニア百科年鑑」編集長などを経て、09年から2014年5月まで科学医療部・DO科学編集長。物理や宇宙などハードサイエンスを主に取材。趣味で、人はなぜ正統科学よりも疑似科学のほうに引かれていくのかを調査研究。その方面の著書も多数。

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