2012年02月25日
一昨年くらいからだろうか。こんな、おっかない感じの「警告文」が、新刊本の頭か最後に印刷されるようになってきた。紙の本をスキャナーで読み込んで自家製のデジタル書籍を作る、いわゆる「自炊」。これを、代行業者に頼んでやってもらうと違法になるぞ、ということを読者に「警告」するために付けられている文章だ。
さあ、これから楽しい読書にいそしもうという時に、こんな脅かされるような文章を目にすると、読書の楽しい気分も一気になえてしまう。だが、こんな「警告文」を書籍にすり込まねばならないほど、いまの出版業界は、「自炊」という行為に危機感を抱いているということなのだろう。
自分でデジタル化せずに、業者に書籍のデジタル化を頼むのは、確かに著作権違法となる可能性が高い。しかし、WEBRONZAで前にも書いたように、自分自身で行うのならば、「自炊」はまったく合法の行為だ。
「自炊」が合法である以上は、書籍がデジタル化され、ネットなどに流出されることがいくら怖いからと言って、こんな「脅しまがい」の文言を書籍に刷り込んでも、あまり効果も意味もないのではないだろうか。
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