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日本の大学は海外から寄付を集めるべし

佐藤匠徳

佐藤匠徳 生命科学者、ERATO佐藤ライブ予測制御プロジェクト研究総括

東京大学の数物連携宇宙研究機構が米国のカブリ財団から5億7000万円の寄付を受けた。このニュースは、日本の国立大学が海外の財団から寄付を受けるのは初めてということもあり、国内のさまざまなメディアで報道された。
表1:欧米と日本の大学基金の比較(各大学のHPにある2011年の情報より筆者作成)

 東京大学を含め日本の多くの大学では、国からの運営交付金や受託研究費が収入の半分以上を占める。このような国依存型の財政状況により、各大学は独自の特色を出し難くなっている。一方、大学の法人化以降、国からの運営交付金は年々減り続けている。このような閉塞状況を打破するためのひとつの対処策が、大学基金の充実である。

 世界の大学では、寄付金などで大学基金を設立し、その基金総額が大学の競争力に直接反映されるようになっている。残念ながら日本の大学基金は、欧米の主要大学と比較すると、雲泥の差がある(表1)。日本のトップの東京大学や慶応義塾大学の基金(300~400億円)は、世界1位の米国ハーバード大学の約2.1兆円と比較して50分の1以下である。また、他の米英の主要大学と比較しても、7~25分の1以下である。

表2:学生一人当たりの大学基金額の比較(同)

 この歴然とした違いは、学生一人当たりに換算しても同様だ(表2)。ハーバード大学の約1億円に対して、東京大学ではたったの140万円である。大学教員一人当たりに換算すると、

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