佐藤匠徳
2012年03月05日
東京大学を含め日本の多くの大学では、国からの運営交付金や受託研究費が収入の半分以上を占める。このような国依存型の財政状況により、各大学は独自の特色を出し難くなっている。一方、大学の法人化以降、国からの運営交付金は年々減り続けている。このような閉塞状況を打破するためのひとつの対処策が、大学基金の充実である。
世界の大学では、寄付金などで大学基金を設立し、その基金総額が大学の競争力に直接反映されるようになっている。残念ながら日本の大学基金は、欧米の主要大学と比較すると、雲泥の差がある(表1)。日本のトップの東京大学や慶応義塾大学の基金(300~400億円)は、世界1位の米国ハーバード大学の約2.1兆円と比較して50分の1以下である。また、他の米英の主要大学と比較しても、7~25分の1以下である。
この歴然とした違いは、学生一人当たりに換算しても同様だ(表2)。ハーバード大学の約1億円に対して、東京大学ではたったの140万円である。大学教員一人当たりに換算すると、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください