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クルマ産業は電機の二の舞いにならないか?

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

日本の電機産業は総崩れとなった。半導体大手のエルピーダが経営破綻した。またソニー、シャープ、パナソニックは、3社合計で1兆7全億円に上る損失を計上し、いずれも社長が交代した。では、日本製造業のもう一つの柱であるクルマ産業は大丈夫なのか?本稿では、電気自動車(EV)化のパラダイムシフトに直面するクルマ産業に対して、電機の二の舞いにならぬよう警鐘を鳴らす。

 日本のクルマ産業は、すり合わせ技術の集積であるガソリンエンジンを中心として現在の地位を築いた。ところがEVは、電池とモーターさえあれば簡単に作ることができる。EVはモジュール化した「電気製品」であり、パソコンやTVと同じ類のものとなる。日本のクルマ産業が築き上げてきたガソリンエンジンの技術はほとんど必要ない。すると、EVの時代が到来したら、トヨタなど完成車メーカーにガソリンエンジンの部品や材料を供給している膨大な数の中小企業がビジネスを失うことになる。

 果たしてEVは普及するのか?日本のクルマ産業はEV化の波に対応できるのか? 

 現在、研究機関、調査会社、証券会社などは、2020~25年に、20%程度EVが普及すると予測している。この予測通りになるかどうかはわからない。また予測通りに普及するとしても、EVの時代は10年以上先と楽観している企業も多い。しかし、私は、相当な危機感を持っている。その根拠は以下の通りである。

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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