2012年05月01日
問題を狭い範囲で考えると、その想定外の事態で、間違った判断をする。広く取りすぎると、問題が解決できない。しかし人間は、考えすぎて問題が解けなくなるわけでもなく、多くの場合は、それなりの判断をしているように見える。少なくとも表面的には、そのように見える。
チェスや将棋のように問題の範囲が明確に限定される課題では、どこまで考えれば良いのかがしっかり定義されている。いわゆる「クローズドシステム」では、フレーム問題は発生しない。
フレーム問題が発生するのは、問題の境界が定義できない「オープンシステム」だ。しかし、現実世界はオープンシステムである。これは、未だに解かれていない人工知能の最大の難問である。(人工知能学会の「フレーム問題」解説ページ)
大飯原発3号機と4号機の第1次ストレステストの審査書を通読した。そこで痛感したのが、再稼働問題の前には「フレーム問題」が横たわっている、ということである。「原子力安全性のフレーム問題」ということもできる。
今回のストレステストの注目点の一つは、福島第一の事故を反映して、地震と津波に伴う、全交流電源損失、サイト内発電設備の損害などを想定して、どの程度の炉心冷却機能を保てるかだった。
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