2012年05月25日
「2012年5月21日、金環日食」――。ツイッターでの膨大な数のつぶやき、フェイスブックで「いいね!」の連発、国内テレビ各局での実況中継など、日本中が大騒ぎだった。この歴史的な天体ショーは、米国ABCニュースなどのメディアでも“Ring of Fire(炎の環)”と報道された。
また、2012年5月18日には韓国の衛星を載せた日本のH2Aロケットが種子島宇宙センターから打ち上げられた。日本としては初の海外衛星の商用打ち上げ成功である。2012年5月22日には、世界初の商業軌道輸送サービス用宇宙船(無人)“ドラゴン(Dragon)”が、米国フロリダ州ケープ・カナベラルから打ち上げられた。
いよいよ、宇宙開発産業の本格的な競争の口火が切られたのである。筆者は、この産業の活性化と発展こそが、日本を含む世界経済の打開策のひとつであると確信している。
かつて、宇宙開発は米国や旧ソ連などに代表されるように、国家が担うものだった。しかし、1990年代から、将来の来たるべき宇宙時代に向けて米国でいくつかの民間企業が起業された。今では、これらの民間企業が、カリフォルニア州のロサンジェルスから北へ144kmほどいった砂漠の町、モハビ(Mojave)に集まってきている。IT がシリコンバレーなら、宇宙開発産業はモハビとも言われる状況だ。現在、モハビ近辺を本拠地とする宇宙開発関連の民間企業の例を表1に示す。
SpaceX、Virgin Galactic、XCOR、Space Adventure(モハビではなく、バージニア州にある)、などは、宇宙観光を産業化しようとしている。Virgin Galacticでは既に、宇宙観光船の乗客の予約を取っており、その中には、米国の有名俳優であるアシュトン・カッチャー、アンジェリナ・ジョーリー、ブラッド・ピット、トム・ハンクスらが含まれている。SpaceXは今後10~20年の間に火星への観光用宇宙船の打ち上げを公言している。また、
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