メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS
「エルピーダに続いてルネサスも倒産か?」と噂されていたが、大株主であるNEC、日立製作所、三菱電機と、三菱東京UFJ銀行など4行が1000億円の融資をすることが決まり、当面の経営破綻は避けられたようだ。

 しかし、これは単なる延命措置であって、ルネサスの危機は今後も続く。44000人もの巨大半導体メーカーが、何故このような事態に陥ってしまったのか?この原因を解明するには、エルピーダやルネサスが設立された2000年当時までさかのぼって分析する必要がある。

 2000年前後に日本半導体メーカーはDRAM(メモリーの一種)から撤退してSoC(System on Chip=一連の機能が入った集積回路)へ舵を切った。その際、NECと日立のDRAM部門を統合することにより、日本唯一のDRAMメーカー・エルピーダが設立された。後にエルピーダは三菱のDRAM部門も吸収した。

 2003年にNECは、SoC部門を分社化してNECエレクトロニクスを設立した。また、2004年に日立と三菱のSoC部門を統合することによりルネサス テクノロジを設立した(赤いロゴだったことから「赤いルネサス」と呼んだ)。2010年にはNECエレクトロニクスと赤いルネサスは統合されて、ルネサス エレクトロニクスとなった(青いロゴになったことから「青いルネサス」と呼んでいる)。

拡大

 結局、2000年以前の日立、NEC、三菱3社の半導体部門から、DRAMのエルピーダとSoCの青いルネサスができたわけだ。その過程で、半導体の売上高および営業利益率がどう推移したかを、図1および図2に示す。

拡大

 売上高においては、シリコンサイクルと呼ばれる好不況の波を差し引いても、2000年以降、ジリ貧になっていると言える。2012年3月期のエルピーダとルネサスの合計売上高は、2001年3月期の3社合計の半分以下になってしまった。

 営業利益率では、

・・・ログインして読む
(残り:約1203文字/本文:約1998文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

湯之上隆の記事

もっと見る