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合弁により設立したエルピーダは経営破綻し、ルネサスは1000憶円の融資を受けて辛うじて倒産を免れたものの危機は今後も続く。ルネサス救済策はあるのか?

 そもそもルネサスを救済する意味はあるか?大企業が窮地に陥った時、「雇用を守らなくてはならない」ことが救済の理由に挙げられる。私は、これは間違っていると思う。

 本質的課題である「低収益率を解決すること」が救済の前提条件になっていなければ、1000億円だろうが、2000憶円だろうが、いくら融資しても意味は無い。底の抜けたバケツに水を注ぐようなもので、不況になればすぐに同じ危機に見舞われる。倒産したエルピーダがその典型的な代表例だ。

 では、日本最大の半導体企業ルネサスを救済する意味は無いのか?

 昨年の大震災でルネサス那珂工場が被災した結果、クルマメーカーが軒並み窮地に陥った。ルネサスから、車載用半導体(マイコン)が調達できなくなったからだ。車載用半導体の売上高でルネサスは世界一であり、その最大の拠点が那珂工場だったためだ(図1)。

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 那珂工場の早期復旧のために、経済産業省、自動車工業会、およびトヨタなどのクルマメーカーがルネサスを支援した。また今回、NEC、日立製作所、三菱電機と、三菱東京UFJ銀行など4行が、ルネサスに1000憶円の融資することになったのも、クルマメーカーが「ルネサスを救済しろ」と経済産業省に働きかけたからだと聞いている。

 日本の半導体と電機産業が大崩壊してしまった現在、日本の製造業の拠り所はクルマ(と素材)しかない。何しろクルマメーカー連結売上高の総合計は日本のGDPの約10%を超える。この一点のみから、ルネサスを救済する意味は有ると言える。

 では、どうしたらルネサスを救済できるのか?

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 短期間でV字回復した例としては、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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