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EMで作物の放射性セシウムの吸収を低減できるか?

片瀬久美子

環境に良い、体にも良い、さらには放射性物質の放射能まで消してしまう、そんな魔法のような菌が宣伝され、広まっています。琉球大学名誉教授(現・名桜大学教授)の比嘉照夫氏が提唱している微生物の集合体のEM(有用微生物群)です。

 元々は土壌改良のために開発された菌でしたが、まくと悪臭が消え、生ゴミが肥料に変わり、糞尿処理も促進でき、ダンゴにして河川に投げ込むと水質改善にもなるなど、様々な効果がうたわれるようになりました。その万能ぶりや比嘉氏が「EMの効果は重力波によるもの」などと説明していることなどにより、一部学者などから「ニセ科学なのではないか」といった疑問も出されています。

 最近では、EMには、土壌内の放射性物質が農作物へと移行することを妨げる効果があることが実証されたと、EM情報室が宣伝をしています。EMで作った堆肥を使用することで、作物が土壌から吸収する放射性セシウムの量を抑えることができたというのです。

 ・速報 EMオーガアグリシステムシステムによる農産物への放射性セシウムの移行抑制効果を実証 福島県農林水産部が成果を発表

http://www.ecopure.info/topics/topics_082.html 

 この報告は、福島県が発表した資材別データを元にしていると思われます。

http://www.pref.fukushima.jp/keieishien/kenkyuukaihatu/gijyutsufukyuu/minkan/240517taihidata.pdf

 これがもし本当ならば、作物に含まれる放射能値を減らしたいと願う農家にとっては、まさに朗報です。 ・・・ログインして読む
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筆者

片瀬久美子

片瀬久美子(かたせ・くみこ) 

【退任】サイエンスライター。1964年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。専門は細胞分子生物学。大学院進学前に11年間、企業の研究員として、バイオ系の技術開発、機器分析による構造解析の仕事を経験。著書に『放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち』(光文社新書:もうダマされないための「科学」講義 収録) 、『あやしい科学の見分け方』(RikaTan 2012年1月号収録)など。2013年8月退任。

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