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[8]続・チェルノブイリ報告

汚染地域の26年間

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

チェルノブイリ原発の北に位置する国・ベラルーシの高濃度汚染地域の一つ、ブラギン地区を訪れた。この国にはソ連時代から続くソホーズ(国営農場)がある(ちなみに資本主義国となったウクライナには、もうない)。しかし、民営化も進められており、「自作農」になる家族もいる。ブラギン地区行政庁のイワン・サンブクさんとジャンナ・チュブサさんの案内で、自作農のピョートル・スニツェレンコフさん(47歳)のお宅を訪ねた。

 庭のあずまやに案内されると、クッキーなどのお菓子が用意されていた。妻のスウェトラーナさん(42歳)が笑顔でジュースを勧めてくれる。

 スウェトラーナさんは16歳までチェルノブイリ原発まで約20キロの村で暮らしていた。30キロ圏内は強制移住となったため、この地に移り住んだ。そこのソホーズでピョートルさんと出会い、18歳で結婚。23歳の息子と16歳の娘がいて、

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