メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS
チェルノブイリ原発の北に位置する国・ベラルーシの高濃度汚染地域の一つ、ブラギン地区を訪れた。この国にはソ連時代から続くソホーズ(国営農場)がある(ちなみに資本主義国となったウクライナには、もうない)。しかし、民営化も進められており、「自作農」になる家族もいる。ブラギン地区行政庁のイワン・サンブクさんとジャンナ・チュブサさんの案内で、自作農のピョートル・スニツェレンコフさん(47歳)のお宅を訪ねた。

 庭のあずまやに案内されると、クッキーなどのお菓子が用意されていた。妻のスウェトラーナさん(42歳)が笑顔でジュースを勧めてくれる。

拡大

 スウェトラーナさんは16歳までチェルノブイリ原発まで約20キロの村で暮らしていた。30キロ圏内は強制移住となったため、この地に移り住んだ。そこのソホーズでピョートルさんと出会い、18歳で結婚。23歳の息子と16歳の娘がいて、

・・・ログインして読む
(残り:約1720文字/本文:約2101文字)


筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)、編集委員を経て科学コーディネーターに。2021年9月に退社。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

高橋真理子の記事

もっと見る