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日本の半導体技術者の生きる道

湯之上隆

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

2012年は、日本半導体産業にとって最悪の年となった(電機産業も同様だ)。倒産寸前となったルネサス エレクトロニクスは5000人以上の早期退職を含む14000人の人員削減を計画しているが、これだけでは済まないだろう。

 経営破綻したエルピーダは米マイクロンテクノロジーが買収し、当面6000人の社員の雇用は継続されることになったが、先行きは不透明だ。その他、台湾TSMCに買収が噂される富士通セミコンダクター三重工場(1400人)など、ラインの縮小、買収、閉鎖に関する話が多数聞こえてくる。数年以内に半導体メーカーの社員数万人が職を失う恐れがある。

 半導体技術者の転職は難しい。それは半導体の技術が非常に細かく分かれており、各技術が極度に専門化しているからだ。

 「半導体」と略しているが、正確に言えば「半導体集積回路」である。何を集積しているかといえば、それはトランジスタである。コンピューターではすべての情報を二進数の0と1で表現するが、トランジスタのオンとオフがこれに対応しているのである。

 ところが半導体技術者のほとんど(たぶん95%以上)がトランジスタを作ったことが無いし、作ることができない(もしかしたらトランジスタが何たるかを知らないかもしれない)。ほとんどの技術者がトランジスタをつくる数百工程の内の数工程しか担当していないからだ。

 かく言う私も、

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