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今回の『ネイチャー』誌の論文は、全く新しいノーベル賞的発見という意味における新しさはないかもしれないが、多くの分子生物学者がそう考えていたであろう、「ジャンク(ごみ)と思われていた残りのDNAがじつはジャンクではないんだ」という考えに、すこぶる強力なエヴィデンス(証拠)を与えてくれたという意味において、画期的な成果であることは間違いない。

 私はかつて『脱DNA宣言』(新潮新書)という本において、DNA中心主義的思考からの脱却と、RNAの世界への注目を促そうとした。

 脱~などという陳腐な表現を用いたことに格別の思いなどはなく、これはただ単に、これからの分子生物学はDNAよりもむしろRNAを中心に動いていくのだということを、ややインパクトを強めて表現したに過ぎないが、この本を上梓した2007年、すなわち少なくとも5年前にはすでに、RNAの多様な世界が明らかになりつつあったわけである。 ・・・ログインして読む
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筆者

武村政春

武村政春(たけむら・まさはる) 東京理科大学准教授(生物教育学・分子生物学)

東京理科大学大学院科学教育研究科准教授。1969年三重県生まれ。1998年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。名古屋大、三重大の助手等を経て現職。専門は生物教育学、分子生物学、細胞進化学。著書に「レプリカ~文化と進化の複製博物館」(工作舎)など多数。【2015年10月WEBRONZA退任】

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