武村政春
2012年10月15日
今年のノーベル生理学・医学賞は、英国の生物学者ジョン・ガードン博士と、京都大学iPS細胞研究所長山中伸弥教授の2名に授与されることになった。日本人の受賞ということで他の執筆者が詳しく書くであろうから、筆者はむしろ、ノーベル化学賞の方に注目してみたい。今年のノーベル化学賞は、「Gタンパク質共役受容体の研究」により、米国の二人の分子生物学者、レフコヴィッツ博士とコビルカ博士に授与されることになった。
そもそも「Gタンパク質ってなんじゃらほい」ということから話を始めるが、平たく言えばGタンパク質は、細胞膜の内側で"待ち構えている"タンパク質で、細胞の外から何かのシグナルがやってくると、「ほいきた!」とばかりにそのシグナルを細胞の内部へと伝達するという、非常に重要な役割をもったタンパク質である。その伝達に、「GTP」という化合物を利用することから、「GTP結合タンパク質」というのが正式な名前だ。
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