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iPS誤報の原因はどこにあるか

片瀬久美子

  森口尚史氏からのiPS細胞移植という虚偽の話を持ちかけられても記事にするのを見送ったメディアは、「倫理委の承認」「渡された草稿の内容」「身分」「共同研究者」「治療の詳細や実施病院」について確認をしたり、他の専門家に問い合わせたりして確かめて虚偽であることを察知していました。しかし、今回は記事にしなかった毎日新聞や日本経済新聞なども、過去には森口氏の身分詐称をそのまま使用して怪しい「研究成果」を記事にしていました。

 これまで発覚しなかっただけで複数のメディアが同じ失敗を何度か繰り返していたのです。記事にする前のチェックも大切ですが、記事を出して終わりではなく、その後、その話題がどうなったのかを追跡調査していたら、繰り返しは防ぐことはできたのではないでしょうか。しかし、どんどん新しい話題が世の中に出てきて、各記者はそれらを追っていくことに忙しくて、いちいちそんな事までやっていられないという事情もあるでしょう。各メディアに共通した問題でもあると思います。 ・・・ログインして読む
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筆者

片瀬久美子

片瀬久美子(かたせ・くみこ) 

【退任】サイエンスライター。1964年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。専門は細胞分子生物学。大学院進学前に11年間、企業の研究員として、バイオ系の技術開発、機器分析による構造解析の仕事を経験。著書に『放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち』(光文社新書:もうダマされないための「科学」講義 収録) 、『あやしい科学の見分け方』(RikaTan 2012年1月号収録)など。2013年8月退任。

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