2012年11月21日
面白かったのは、実際の数値計算が評価されるゴードン・ベル賞である。TOP500は評価用の決まり切った計算の速さを競うが、こちらは現実に役に立つ計算の能力を評価する。今回は、6月期1位のSequoiaと2位の京が激しく競った。テーマは奇しくも同じで、宇宙初期の大規模重力計算だった。提出された論文では、Sequoiaの演算性能が14ペタフロップスで、京は5.67ペタフロップスとなっていた。ただし、プログラムの性能は京の方が2.4倍高く、同じ計算をさせると京のシステムの方が早く計算を終了すると見込まれた。そして、栄冠は京に輝いた。審査員はレポート上の数値では下であったにもかかわらず、京に軍配を上げたのである。
プログラム開発の中心となった筑波大学の石山智明研究員は、同大学計算科学研究センターのホームページを見ると、2005年に東大を卒業し、10年に博士号をとったばかりの若手である。石山さんをはじめ、関係の方々にお祝いを申し上げた。
私は数値計算の高速化を専門の一つにしているが、現在のスパコンの有用性には疑問を持っており、
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