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被災地の海岸林再生、善意をどう生かすか

米山正寛 朝日新聞記者(科学医療部)

東日本大震災の大津波に襲われた仙台市若林区の荒浜地区。そこで11月にあった「みどりのきずな」再生プロジェクトの植樹式に参加した。震災以来、この地区を訪ねたのはこれで3回目になる。
拡大植樹式ではクロマツなどの苗が植えられた=仙台市若林区(筆者撮影)

 東北・関東の太平洋沿岸にはクロマツを主体とする海岸防災林が多くあった。その被災延長は約140キロに及んだ。再生に向けて今年度に約50キロで工事が着手された。再生構想は、樹木の生育基盤の造成だけで5年、植樹も含めると10年がかりだという。

クロマツなど2200本を植樹
 これは5年間植樹が始まらないという意味ではない。基盤整備の済んだところでは急いで植樹に取りかかり、再び防災機能を有する海岸林を早めに蘇らせることをめざす。被災のひどかった岩手、宮城、福島3県の海岸近くの国有林で、初めて植樹できるまでになった場所が、この地区にある荒浜小学校そばの一画だった。

 植樹式にはクロマツに加えて、落葉広葉樹のコナラとヤマザクラが用意された。0.5ヘクタールの土地に計2200本を植えるのに、200人ほどが参加して1時間余りで作業を終えた。私もスコップで穴を掘るところから始めて、土と堆肥を交ぜて苗木とともに埋め戻し、10本ほどを植樹することができた。参加した地元の人たちからは「突然なくなった緑が早く戻ってくることを願っている」「1日も早く海岸林が昔の姿を取り戻してほしい」といった声が聞かれた。

 就任して間もない沼田正俊林野庁長官も出席して、「このプロジェクトには二つの意味がある」と語った。一つは基盤造成の過程で、震災で発生した瓦礫を安全なかたちで再利用すること。もう一つは、 ・・・ログインして読む
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筆者

米山正寛

米山正寛(よねやま・まさひろ) 朝日新聞記者(科学医療部)

朝日新聞科学医療部記者。「科学朝日」や「サイアス」の編集部員、公益財団法人森林文化協会事務局長補佐兼「グリーン・パワー」編集長などを務め、2018年4月から再び朝日新聞の科学記者に。ナチュラリストを夢見ながら、とくに自然史科学と農林水産技術に関心を寄せて取材活動を続けている。

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