下條信輔
2012年12月12日
有権者の投票行動の深層心理について、顧みるのに良いタイミングだろう。
投票行動ほど、人々の意識が様変わりした現象も珍しい。元来は政党同士が政策論争をやって人々が判断する、これが大前提だったはずだ。だがタレント候補が現れたあたりから流れが変わった。政党よりも候補者個人へ、政策よりは候補者の個性に関心が向かうようになった。
高尚なイデオロギーや政治的見地から判断しているつもりでも、 人は案外潜在的な情動に支配される。 性、人種、年齢、魅力度などが投票行動に影響することは、かねてから知られていた。またタレントや有名人が有利になることから、親近性も大きな要因とされる。
最近プリンストン大学の心理学者トドロフ(Todorov, A.)らは、諸要因を系統的に再検討した。そしてある観点からすれば「ショッキングな」結果を報告している。
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