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 すでに旧聞に属するが、米国大統領選挙でオバマ大統領が、共和党のロムニーを破って再選を果たした。1期目の評価が必ずしも高くなかったので、勝因について様々に分析された。そして日本でも衆議院選挙が間近だ。

 有権者の投票行動の深層心理について、顧みるのに良いタイミングだろう。

 投票行動ほど、人々の意識が様変わりした現象も珍しい。元来は政党同士が政策論争をやって人々が判断する、これが大前提だったはずだ。だがタレント候補が現れたあたりから流れが変わった。政党よりも候補者個人へ、政策よりは候補者の個性に関心が向かうようになった。

 高尚なイデオロギーや政治的見地から判断しているつもりでも、 人は案外潜在的な情動に支配される。 性、人種、年齢、魅力度などが投票行動に影響することは、かねてから知られていた。またタレントや有名人が有利になることから、親近性も大きな要因とされる。

 最近プリンストン大学の心理学者トドロフ(Todorov, A.)らは、諸要因を系統的に再検討した。そしてある観点からすれば「ショッキングな」結果を報告している。

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筆者

下條信輔

下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。

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