2013年01月07日
すでに多くの人たちが指摘していることなので言うまでもないが、iPS細胞には、二つの大きな応用可能性がある。一つは再生医療・難病解明のツールとしての応用可能性であり、いま一つは、不妊治療のツールとして生殖細胞を作り出すことを目的とした応用可能性である。ただし後者の応用可能性とは、iPS細胞から生殖細胞を作り出し、それを受精させて子を作る可能性を指すのであって、不妊メカニズムの解明のためにiPS細胞から生殖細胞を作るのは前者の応用可能性に含まれる。
今年のノーベル生理学・医学賞のプレス・リリースには、「By reprogramming human cells, scientists have created new opportunities to study diseases and develop methods for diagnosis and therapy(ヒトの細胞をリプログラミングすることにより、病気を研究し、診断と治療の新しい方法の開発の新たな機会を作り出したのだ)」とある。すなわち前者の応用可能性を評価して、ノーベル賞の授賞を決めたことがわかる。
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