2013年01月28日
これらは、試作から量産に移ることに伴う問題がある場合や、チェック項目が十分網羅されていない場合、市場投入前にはわからなかった問題に遭遇した場合などがある。
たとえば、米国の医薬品メーカーであるメルク社が関節炎治療薬として開発したCOX2選択的阻害剤であるRofecoxib(製品名VIOXX)は、アスピリンよりも効果が高いとされ、2003年には、メルク社の売り上げの10%以上を担う薬であった。しかし、ある特定の患者グループが、長期間にわたって大量服用した場合には、心臓発作のリスクが増大することが判明し、2004年9月30日には自主回収を発表した。2005年には、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)は多くの場合、リスクよりも効果の方が上回るとしてRofecoxibの販売継続を推奨した(ただし、メルク社は、VIOXXの販売は再開していない)。
もちろんVIOXXの場合も臨床試験はしているが、臨床試験では、すべての遺伝的背景や健康状態をもった利用者を対象にできない。
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