2013年02月06日
しかしながら、こんな教室の風景も遠い昔の遺物になっていくのかと思わされる体験をした。先日、2000年に創立された公立はこだて未来大学を訪問する機会があった。人里離れた郊外に建てられている校舎を見て、まず度胆を抜かれた。ほぼすべてがガラス張りで、学生、教員、職員の行動が外から見られるのだ。例外はトイレと「なぜか学長室だけです」と学長から説明された。ガラス張りのメリットは、冬の寒さの厳しい函館においては、省エネの観点からも大きいのだそうだ。5階建ての校舎だが、5階にいても1階、2階、3階、4階で皆が何をしているのか一目瞭然の構造になっていた。教授が研究室で居眠りしていれば、当然学生に目撃されてしまう。これを見て、米国のベル研究所でどの研究室の扉もいつも開けられていたことを思い出した。これは、研究者同士、研究分野の垣根を作らずに、いつでも誰とでも自由にディスカッションすることが奨励されていた証だった。
各教室も、
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