2013年03月08日
一方、ルネサスエレクトロニクスは、政府系ファンド(株)産業革新機構とトヨタ自動車や日産自動車などの官民連合が1500億円を出資し、2月22日に新社長に昇格した鶴丸氏のもとで経営再建を目指すことになった。
かつて日立の半導体技術者だった私としては、上記2社の行方が大変気になるところである。友人や知人もたくさんいる。また2002年10月に日立を退職しなければ、どちらかの会社の社員であった可能性が高い。だから、どうしてもそういう目線でエルピーダとルネサスを見てしまう。
ルネサスでは、昨年、5000人の希望退職者を募集したところ約7500人が殺到し、初日で打ち切った。希望退職では給料の36か月分がプレミア分として上積みされることになっているが、予想以上に希望者が多く原資が不足したため、そのプレミア分は1年後の後払いになるという。そのとき、ルネサスが今のまま存続しているとは限らない。もし、革新機構に変わってどこかの外資に買収されたら、この退職金のプレミア分は恐らく支払われないだろう。
そのまま存続しているとしても、ルネサスはさらに3000人の希望退職者を募集する予定である。その際の退職金のプレミア分は、昨年の1/3の12か月分に減額された。希望退職者の募集はこれ以降もあるかもしれない。しかし、退職金のプレミア分が増額されることはまずないだろう。次第に減額されていって最後はゼロになるかもしれない。
退職をせずに残った社員もつらい。社員数は約1/4に減少し、今後もさらに減り続けるが、仕事が急に減るわけではない。その結果、残った 社員が辞めていった社員の穴埋めをしなければならない。しかし、給料が増えることはほとんど期待できない。
したがってルネサスの社員にとっては、「辞めるべきか、辞めざるべきか」という悩ましい状態が続くことになる。
経営破綻したエルピーダはどうか?自己都合退職した者もいるだろうが、ルネサスのような大規模な希望退職は募集していない。買収することになったマイクロンが、エルピーダの雇用を維持すると言ったためだ。
エルピーダは
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