メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

「国会事故調の意義を日本人はわかっていない」-委員長・黒川清さんのロングインタビュー(下)

高橋真理子 朝日新聞 科学コーディネーター

――注目点の一つが、東電の全員撤退問題でした。国会事故調は「東電は当初から全員の撤退は考えていなかったものと認められ、菅総理の行動によって、東電の全員撤退が回避された、といった事実は認められない」と判定しました。

黒川 だから全員撤退だとかどうでもいいんだよ。退避でも全員撤退でもどっちでもいい(注:東電は「退避」と考えていたことを、官邸側が「全員撤退」と受け止めた)。東電のビデオを見たらわかることだけど、14日の朝の1時ぐらいに「全員退避ですか」ってある役員が発言した時に、清水(正孝・前東電社長)さんが「いや、まだそんなこと議論する時点じゃない」って言っている。その後に官邸に行ってるから。清水さんとしては、全員撤退はありませんよねって、全員撤退を考えていたわけじゃないんだけど、止むを得ませんねって言ってほしかったんだよね、たぶん。

――官邸にね。

黒川 そうそう。そっちに判断を任せようと思ってたのかもしれない。

――夜中に何度も電話をしたのは、全員撤退を認めてもらおうと思ってのことではなかった・・。

黒川 それは、解釈はいろいろある。「都合の悪いことは官邸の方に預けちゃおう」という気はあったかもしれない。清水さんはどうしたらいいかっていうことを言ってほしい、その気持ちはわからなくはない。そこまで証拠ないから、報告書には書いてない。

――それだと、なぜ清水社長があっさり「わかりました」といったか納得できますよ。ようやく返事をもらえたって感じだったんですね。

黒川 ぼくはそうだろうなあと思うよ。特に ・・・ログインして読む
(残り:約1760文字/本文:約2411文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) 朝日新聞 科学コーディネーター

朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

高橋真理子の記事

もっと見る