2013年04月23日
RTGとは、連鎖反応しないタイプの核分裂の熱を、熱電対というタービンを使わない方式で直流電気に直す電源だ。燃料の半減期に相当する長い期間の発電を完全無人で続けられる。燃料としてはアメリシウム241やストロンチウム90も可能で、例えば旧ソ連の無人灯台などで使われてきたが(その盗難が問題になったりしている)、宇宙探査では専らプルトニウム238が使われている。
RTGの特徴は以下の通りである。
* 構造がシンプルで、放射線の遮蔽が簡単である。
* 連鎖反応をしない核物質を使うので爆発の危険がない。
* 従って、どの燃料も核兵器に使えない。
* 冷却源がまわりにある所に有利である。例えば宇宙は無尽蔵の冷却源そのものである。
1960年代には人工衛星に、70年代はバイキング着陸船などの火星ミッションで使われた。世間を熱狂させたボイジャーもパイオニアも火星ローバーもこれ無しでは不可能だったし、木星や土星の衛星の様子などはRTGを積んだガリレオやカッシーニなしに知ることはできなかった。夜が14日も続く月での基地作りも、RTGなしには計画が困難だ。
燃料として主にプルトニウム238が使われる理由は、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください