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暗黒物質について急に知りたくなったあなたへ

高橋真理子 朝日新聞 科学コーディネーター

暗黒物質が先週、脚光を浴びた。だが、新聞記事を読んでも、多くの方はおそらくピンと来なかっただろう。今回、国際研究グループが欧州合同原子核研究機関(CERN)で発表した内容は、「暗黒物質が、これまで見つかっていない素粒子であるとしてもおかしくない観測結果を得た」というもの。まだまだ煮え切らないのである。それでも、物理学者たちは沸き立っている。ヒッグス粒子は「今までの物理学の枠の中で空席だった最後の粒子」だが、今度のは、もし確証が得られれば「今までの物理学の枠を超える最初の粒子」だからだ。新奇な素粒子の発見。これほど物理学者たちをうっとりさせるものはない。

 暗黒物質とは、重力源にはなっているけれど、見えない物質のことだ。なぜ、見えないのに「ある」と天文学者は断言するのか。それは長い物語があるのだが、最初は、渦巻き銀河を観測し、端の方にある星々のスピードを測ったら、変だと気づいたのである。銀河中心の周りを回るスピードが早い。早すぎた。ロケットの場合、地球に落ちてこないだけのスピードで打ち上げると、地球をぐるぐる回る周回軌道に入る。もっとスピードを持たせると、地球の引力圏を飛び出す。速いスピードでぐるぐる回っているということは、それを引き付ける力が強い、つまり強い重力源があるということ。ところが、銀河の中で見えている星を足し合わせてもそれほどの重力源にならない。だから、見えない重力源がないとおかしい。

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筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) 朝日新聞 科学コーディネーター

朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

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