2013年04月18日
非常に興味深い戦いであった。コンピュータ将棋の強さは、過去の棋譜を用いた評価関数の学習(盤面評価能力)と、膨大な計算能力に支えられた状態空間の探索(つまり手を読む能力)からくる。しかし、当然ながら入玉戦の棋譜は極めて少ない。また、途中から相手を詰ますよりも駒の得点を稼ぐ争いになるので、その段階で適切に評価関数を変更する必要がある。しかし、同時に、入玉戦でも詰ます可能性がまったくないとは限らないという難しい局面を迎える。実は、コンピュータ将棋の最大の弱点が入玉戦であることはよく知られている。第1回電王戦で、ボンクラーズに敗れた米長邦雄元名人も、入玉すれば勝ち目があるとしてそこに勝機を見いだしていた。
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