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続・大学にやってきた黒船「ムーク」〜日本の現況と問題点

下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

米国でのムークのこうした動きに対して、日本の現況はどうなっているだろう。

 2005年に東京大、京都大、早稲田大などが教材を無料提供する団体を作り、現在23大学が総数3,000科目を公開している。今年2月には東大が国際化戦略の一環として、日本勢ではじめてムークへの参入を表明。2013年秋には2教授の講義を発信する予定にしている。

 会見で吉見俊哉副学長は「グローバル化の流れのなか、東大もこれまでのエリートだけではなく、世界を相手にするトップ大学として地球市民としてのエリートを育成していかなければならない」と述べた。半面「個人側、大学側ともに厳しい競争の時代がはじまるのでは」という有識者の意見もある。

 

 もとよりローカルな大学とグローバルな大学とでは、影響も取り組みも違う。正直な所、東大をグローバルな大学、世界のトップに伍する大学と位置づけることには、いくぶんか違和感がある。具体的には使用言語の現状や留学生の比率から「背伸びしている」印象を持つのだが、

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筆者

下條信輔

下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。

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