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エリート官僚の採用試験で英語のヒアリングを今まで以上に重視する方針が打ち出されたという報道があった。海外に長年住んでいる研究者として、この種の「英語重視」、特に「ヒアリング重視」の流れに一抹の不安を感じる。その理由をここに書きたい。

 私は米国に5年、スウェーデンに22年以上住んでおり、今でも研究に関する仕事は、予算申請を含め全て英語でしている。それでも、いまだに英語は苦手だ。

 論文を投稿すると、その審査の過程で、必ず英語のまずさが指摘される。人との議論や発表の際は、発音の訛りがひどいうえに文法的に間違いだらけだ。間違いだらけなのは、メールで連絡を取る場合もそうだ。ヒアリングやリーディングだって、欧米人の速度には全然追いつかないから、学会などで、テキストだけで埋め尽くされたスライドが出て来たらお手上げだ。それほどだから、提案されている新システムの英語試験には落第する自信すらある。何しろ、米国で学位をとった時に、試しにTOEFLを受けたら、アメリカ人向けの英語(国語)の授業をBでパスしたあとにもかかわらず、留学そのものに要求される点数に届かなかったのだ。

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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

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