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つくばの高エネルギー加速器研究機構(KEK)から、こんなプレスリリースがゴールデンウィークのまっ最中に出ていた。素粒子実験のデータの一部が、不手際から永久に失われてしまったというのである。
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ノーベル賞は大丈夫か?

 Belle(ベル)実験といえば、ノーベル物理学賞を2008年に受けた小林・益川理論を、実験的に裏付けた「KEKの看板事業」である。実験は一段落して、次のSuperKEKBプロジェクトの本格稼働を来年に控えているとはいえ、税金で得た大事な実験データを失っていいのか、と思うと、気になるプレスリリースであった。何が起こり、どうしてそんな事態になったのか、報告されたことがらをじっくりと読んでみた。

 加速器による素粒子実験のようなビッグサイエンスでは、

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筆者

内村直之

内村直之(うちむら・なおゆき) 科学ジャーナリスト、北海道大学客員教授

科学ジャーナリスト、北海道大学客員教授。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程満期退学。1981年、朝日新聞入社。福井、浦和支局を経て、科学部、西部本社社会部、科学朝日、朝日パソコン、メディカル朝日などで科学記者、編集者として勤務し、2012年4月からフリーランス。興味は、基礎科学全般、特に進化生物学、人類進化、分子生物学、素粒子物理、物性物理、数学などの最先端と科学研究発展の歴史に興味を持つ。著書に『われら以外の人類』(朝日選書)など。【2015年10月WEBRONZA退任】

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