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不ケータイ者からの親身の一言

須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学)

 ケータイについてはすでに別のところで思いっきり深く論じたので、興味がある方はそちら(注)を参照して頂くこととして同じ事の繰り返しは避ける。個人的に疑問を禁じ得ない以下の点についてのみ、警鐘を乱打しておこう。

●サラリーマンのお父さんのお昼代が500円、奥様方のランチ代が1000円という時代(この2倍の格差の合憲性についても、今回は問題としない)にあって、家族4人で毎月3万円近くものスマホ代金を支払う生活は異常ではあるまいか。
●数万円もの料金割引と引き換えに、別の会社から乗り換えて2年間契約させることを勧めるという謎の商取引慣例は社会的に容認されるべきなのか。法外な通話料などに転嫁されているのではないかと考えることこそ科学的推論というものではあるまいか。とすれば本来の「いざという時」のためという本質的な役割を確保するために、まったく不必要な料金を支払う体系を強制していると言われても仕方ないのではなかろうか。
●今や若者はスマホのラインというアプリを使わないと仲間に入ることすらできない。とすれば逆にそれは友人を増やすよりも、むしろ友人間の排他性を助長する方向に機能しているのではないか。ライン内で誰かが発言すればほぼ即座に返事することが期待されているとするならば、全員の時間の浪費以外の何物でもない。
●通勤電車の中で観察するに、かなりの割合の人々がひたすらスマホに没頭し、黙々と無意味なメイルのやりとりやゲームに興じている。かつては読書(マンガを含むとしても)の時間として活用されていたスキマ時間が無為に過ごされている。学生が勉強をするときにも1分おきにスマホをチェックする習慣が定着してはいない

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筆者

須藤靖

須藤靖(すとう・やすし) 東京大学教授(宇宙物理学)

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に、『人生一般二相対論』(東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『この空のかなた』(亜紀書房)、『情けは宇宙のためならず』(毎日新聞社)、『不自然な宇宙』(講談社ブルーバックス)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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