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職務発明が会社のものになった場合のインパクト

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

 安部内閣は6月7日の閣議決定で、企業の技術者による「職務発明」について、「出願時から企業が保有する」か、または「帰属や対価について従業員と企業の事前の契約で決める」か、どちらかにするよう企業に求めることにしたという。

 これに対して、企業の社員はどのような反応をするだろうか?
(1)ふーん、あっそう(興味なし)。
(2)改定と言っても、以前とあまり変わらない気がする(大きな関心なし)。
(3)それはひどい、特許を出願する気が失せる、こんな改定は辞めて欲しい(憤懣やるかたない)。
(4)それは大変良い改定だ、是非そうするべきだ。

 多くの方が(1)か(2)に該当するのではないか? 自分が日立にいて半導体技術者だった頃にこの改定が行われたるとすると、私の反応は多分(2)になると思う。(3)の反応をするのは、よほど特許に精魂傾けておられる方である。(4)は特許部在籍者か経営層の方々の反応であると思う。

 安部内閣が改定を行う意図は、「企業のグローバル活動における経営上のリスクを軽減する」こと、つまり、企業の社員が後になって(中村修二氏が日亜化学に対して起こしたような)巨額の発明報酬を求める訴訟を防止したいというのが、その本音であろう。

 本稿では、この改定が行われた場合の日本企業に対するインパクトを考えてみたい。

 私は日立、エルピーダ、セリートなど16年半の半導体技術者時代に、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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