秋山仁(あきやま・じん) 数学者、東京理科大特任副学長
1969年東京理科大学応用数学科卒、72年上智大学大学院修了。日本医科大助教授などを経て82年から東海大学教授、2012年から東京理科大理数教育研究センター長。駿台予備校でも長年教えた。著書に「離散幾何学フロンティア」「教育羅針盤」「数学ワンダーランドへの一日冒険旅行」など。専門は離散幾何学。趣味はアコーディオン演奏、ヨット
「お盆休みにはパズルをどうでしょう」という編集部の勧めに従い、今日と明日の2回はパズル仕立てで数学の威力をご覧にいれます。
数学は実生活で大いに役に立っているのに、抽象的なためか、みんなにそう思ってもらえないのが実情です。テストのために数学をするのではありません。役立つから勉強するのです。生徒たちには、身のまわりには数学の応用が溢れていることをもっと知らせるべきだと筆者は常々考えています。先日は、このことに力点に置き、中学高校の数学の先生を対象に教員免許更新のための講義をしました。タイトルは、『数学の威力を人々に知ってもらう方法』とし、サブタイトルは「先を予見し、誤りを正しく直し、引き際を知る方法」です。そのエッセンスをここでご紹介しましょう。
まずは「先を予見する方法」です。
問題
考えましたか?「碁石がたくさん」では考えようがない、などと言ってはダメですよ。実生活では「たくさん」としか言えない場面がいくらでもありますから。それでも必勝法を考えなければならないのが大人というものです。ヒントは、「少ない数から順に考えていく」です。
解説
まずは、机上の碁石の個数が少数の場合、たとえば、3個以下だったら、先手が全部取ってしまえば良いので先手が勝つ。では、4個だったら
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