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 2年前から必修となっている小学校の英語を「教科」として本格的に教えたらどうかと政府の教育再生実行委員会が5月に提言した。いち早く反対表明したのが、同時通訳のパイオニアとして有名な鳥飼玖美子さんだ。朝日新聞のインタビューに答えて「無謀」と言い切った。一方、週末の別刷り「be」の読者2472人のアンケートでは「どちらかといえば」まで含めた賛成派が59%と多数を占めた。英語のプロは「反対」といい、英語にコンプレックスを持つフツ-の日本人は賛成するという構図が見て取れる。日本の政治家の大半も英語は苦手。このまま行ったら、英語苦手派の無責任な願望が流れを決めかねない。日本中の子どもに教科として英語を教えるなんて、とんでもない暴挙だと声を大にして言いたい。

 そもそも「教科」にするとはどういうことか? すでに5,6年生に「必修」で週1時間の英語の時間があるのだから、何が違うのかよくわからないというのが多くの保護者の正直な気持ちだろう。

 教育再生実行委員会の提言を正確に引用すると「国は、小学校の英語学習の抜本的拡充(実施学年の早期化、指導時間増、教科化、専任教員配置等)や中学校における英語による英語授業の実施、初等中等教育を通じた系統的な英語教育について、学習指導要領の改訂も視野に入れ、諸外国の英語教育の事例も参考にしながら検討する」とある。「教科化」の文字が入っているが、「検討」を提言したのだから、まだ決まったわけではない。だが、「学習指導要領の改訂も視野に入れ」というところに文部科学省の本気度が伺える。

 現在の英語の授業は、

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筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) 朝日新聞科学コーディネーター

朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

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