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 政府の教育再生実行会議が、小学校での英語を正式な教科にするよう提言した。教科化すれば現場が混乱するだけでなく、さまざまなリスクがあるが、その割に教科化の是非を判断する情報があまりにも少ない。ここでは提言で見過ごされている問題を4つ挙げて、今後の議論に供したい。

(1)デメリットの評価が足りない
 本欄5月27日の「英語試験の重視は本当に国益にかなうのか?」にも書いたが、何か教科を増やせば、他の教科にしわ寄せがくる。教科化で成績評価が入れば、「弱点強化」というプレッシャーで、生徒が得意科目を伸ばす時間が減り、他の苦手科目にかける時間まで減らす結果、苦手を更に苦手にさせることになりかねない。
 漢字をなかなか覚えられない子どもに更に英単語を詰め込んで、漢字能力は落ちないのか。日本語能力が不完全な状態の子供に無理に英語を導入して、日本語のコミュニケーション能力まで落ちはしないか。語学の非合理的な論理体系を詰め込むことで、理科や算数、社会などの合理的な論理体系の習得に影響は出ないのか?

 私ごとになるが、小学校のころの苦手科目は「漢字」で、中学でも英単語よりも漢字を覚えることを優先させた。もちろん、

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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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