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汚染水問題で考えるべきこと

下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

 福島第一の汚染水漏れは以前からささやかれてきたが、今ごろになって明るみに出てきた。まずは主な記事だけ一覧して、経緯を振り返っておこう(朝日、読売、産経、時事、福島民友の各紙と、CNNなどによる)。

*海側井戸から90万ベクレル/リットルのストロンチウムなど検出(7/6)
*南側井戸からもストロンチウム90など1400ベクレル/リットル(7/12)
*海にトリチウム流出、20兆~40兆ベクレル(8/2)
*海底くぼ地に高濃度セシウム137(8/7)
*汚染水1日300トン海に、国費投入へ(8/7)
*47倍に上昇、海側の観測井戸からストロンチウムなど5万6千ベクレル/リットル(8/11)
*南側観測井戸、ストロンチウムなど90万ベクレル/リットル(8/1)
*汚染水、北方向にも拡大(8/13)
*貯水槽40センチ浮く、地下水の浮力か(8/13)
*1号機地下溝の水から1万1600ベクレルのセシウム( 8/15)
*地上タンクからも海に流出か(8/20)
*汚染水300トン、最大8000万ベクレル/リットルのストロンチウムなど(8/20)
*汚染水直接流出か、海へ推計30兆ベクレル(8/22)

 リストが長くなってしまったが、情報が交錯する様子、日ごとに深刻化してゆく様子がよくわかる。

 まず注目したいのは、発見が遅かったこと、しかし見つかるやあっと言う間に拡大したことだ。東電の説明も二転三転、汚染水量も「120リットル」から「300トン」へ、わずかの間に一変した。だがこのことは、事態そのものの急変を意味しているのではない。漏れは静かに進行していたが、点検がずさんで検出が遅れた可能性がある(8/22 朝日)。「未必の故意」つまり意図的な怠慢があったかも知れない。

 第二に、

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