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真相究明できるか? ディオバン論文不正問題

浅井文和 医学文筆家

拡大厚労省検討委員会第1回の冒頭、あいさつをする田村憲久厚労相=8月9日
 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)に関して、京都府立医科大学や東京慈恵会医科大学が発表した臨床研究論文のデータが人為的に操作されていた問題は、大きな節目を迎える。

 9月30日、厚生労働省が設けた検討委員会が第3回会合を開き、調査の中間的なまとめと再発防止策を検討する。

 日本の臨床研究への国際的な信頼を揺るがしている論文不正問題で、真相にどれだけ迫れるのか。

焦点は、だれが何の目的で操作したか

 京都府立医大と慈恵医大はデータに不正な操作があったことを認める調査委員会報告をまとめ、研究論文が医学誌から撤回された。

 このほか、ノバルティスの元社員が研究にかかわった千葉大学、滋賀医科大学、名古屋大学でも調査が進んでいる。

 最大の謎は、いったい、だれが、何の目的でデータを操作をしたかだ。

 研究にかかわっていたとされるノバルティスの元社員が操作したのか。

 元社員が操作していないとしたら、大学の医師が操作していたのか。

 ノバルティスによると、京都府立医大の当該研究室に3億8170万円、慈恵医大の研究室には1億8770万円という多額の奨学寄付金が支払われていた。

 このような多額の研究費を支援して、ある意味、ノバルティスの社運をかけた臨床研究の信頼性を損なうようなデータ操作を、一社員の個人的な判断でできるとは到底思えない。いったい、だれがデータ操作を指示したのか。

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筆者

浅井文和

浅井文和(あさい・ふみかず) 医学文筆家

元朝日新聞編集委員。1983年に朝日新聞入社。1990年から科学記者として医学、医療、バイオテクノロジー、医薬品・医療機器開発、科学技術政策などを担当。2017年1月退社。退社後、東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。公衆衛生学修士(専門職)。日本医学ジャーナリスト協会理事。日本専門医機構理事。

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