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 昨年のノーベル医学生理学賞 は、ジョン・ゴードン氏(Sir John B. Gurdon)と山中伸弥さんの「細胞の初期化の発見」に対して与えられた。医学生理学賞では日本人2人目、また初めての100%日本発の発見に対する授賞ということで、日本中が沸いた。今年も受賞者発表が間近に迫ってきたので、2013年の医学生理学賞と化学賞の行方を大胆に予想してみる。

 今年は、医学生理学賞が「細胞のホルモン、神経伝達物質などの放出メカニズムの発見」、化学賞が「たんぱく質の折りたたみ機構をになう分子構造の発見」であると筆者は予想している。以下にそれぞれの発見について簡単に説明し、受賞の可能性のある研究者をあげてみる。

医学生理学賞:「細胞のホルモン、神経伝達物質などの放出メカニズムの発見」

 われわれの身体は60兆以上の細胞が集まって成り立っている。それぞれの細胞が身勝手にふるまっていたのではわれわれの身体は正常に機能しない。細胞同士が相互にコミュニケーションをはかる必要がある。例えば、細胞内でつくられたホルモンが細胞の外に放出され、それが血管などを通して他の細胞へ作用する。もし細胞からホルモンが放出される機能に異常がおこると、身体の成長、血圧調節、心臓や腎臓のはたらき、血糖値の調節、といったさまざまな身体のはたらきの調節機能に不具合が生じてしまう。時には生死にも関わる。

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筆者

佐藤匠徳

佐藤匠徳(さとう・なるとく) 生命科学者、ERATO佐藤ライブ予測制御プロジェクト研究総括

(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)佐藤匠徳特別研究所 特別研究所長。独立行政法人 科学技術振興機構(JST)ERATO佐藤ライブ予測制御プロジェクト研究総括・米国コーネル大学教授・豪州センテナリー研究所教授(兼任)。1985年筑波大学生物学類卒業後、1988年米国ジョージタウン大学神経生物学専攻にてPh.D.取得。ハーバード大学医学部助教授、テキサス大学サウスウエスタン医科大学教授、コーネル大学医学部Joseph C. Hinsey Professorを歴任後、2009年に帰国、2014年まで奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)バイオサイエンス研究科教授。2014年7月にNAIST退職後、2014年8月1日より現職。専門は、心血管系の分子生物学、ライブ予測制御学、組織再生工学。【2017年6月WEBRONZA退任】

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