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半導体製造装置の日米統合、本当にシナジー効果はあるのか?

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

 「米アプライドマテリアルズと東京エレクトロンが経営統合」。

 このニュースには腰を抜かすほど驚かされた。私は日立、エルピーダ、コンソーシアムのセリートで、装置を選定・購入し、使用する半導体メーカーの立場としてアプライドと東京エレクトロンに接してきたが、この両社のカラーがあまりにも異なるからである。

 私の印象では、アプライドは米国流の洗練されたハイテク企業であり、戦略的で、トップダウン型である。一方、東京エレクトロンは極めて日本的な企業で、サービスに競争力の源泉があり、ボトムアップ型である。またアプライドを剛とすれば、東京エレクトロンは柔である。アプライドは手強く、東京エレクトロンはしたたかである。

 これほど企業文化が異なる会社の社員が一緒に仕事をする姿が、私にはイメージできない。

 東京エレクトロンの東哲郎会長兼社長とアプライドのゲイリー・ディッカーソン社長兼CEOは、「両社の関係は補完的である」とし、「統合後3年間において約5億ドルの統合シナジー効果を見込んでいる」と発表している。

 立ちはだかる企業文化の壁を乗り越えて、このようなシナジー効果を得ることが、本当に可能なのだろうか?それは難しいのではないか?以下にそう考える根拠を示す。

 半導体の製造装置には、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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