2013年10月30日
日本半導体産業の古くて新しい課題は、利益率が低いことである。これは何も半導体だけに限らない。この原因が、「過剰技術で過剰品質の製品をつくっているからだ」ということを、初めてのWEBRONZAの記事に書いた(2010年12月3日)。
その後もこの課題について追求してきたが、最近、その回答になるかもしれない発見をした。以下にその概略を示そう。
半導体産業では、「規模の経済」ということがよく言われる。これは、生産量が増大するにつれて1個当たりの平均コストが減少する結果、利益率が高まることを意味する。もし、半導体産業に「規模の経済」が当てはまるなら、つくればつくるほど、利益率が向上することになる。
まず、半導体売上高と営業利益率の関係を見てみよう。各半導体メーカーについて、2010~2012年の平均売上高および平均営業利益率を算出し、プロットしてみた(図1)。2010~2012年の平均としたのは、2008年のリーマン・ショックの影響や1年だけ高かった(あるいは低かった)ようなノイズを排除するためである。
売上高の「規模」が大きいほど営業利益率は高いと言えるだろうか?
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