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なぜオーロラ観光客はオーロラを見逃すのか?

山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

 私の勤めるスウェーデン国立スペース物理研究所(IRF)は、今でこそ惑星探査の拠点だが、もともとは1957~1959年の国際地球観測年に、オーロラ現象を観測する拠点の一つとして設置された。だから研究所のあるキルナ市にはオーロラ観光客が多く訪来する。元々はドイツ人やイギリス人が多かったが、90年代に日本人が増えるようになり、更に最近5年ほどは急速に中国人が増えている。ちなみに、私がキルナに来る前に大学院生として5年間過ごしたアラスカ州フェアバンクスもオーロラのメッカで、80年代後半の当時、日本人のオーロラ観光客が年々増え続けていたことを覚えている。オーロラ観光客は世界的に増え続けているのである。

頭上のオーロラ。著者撮影、28mmレンズ、ASA100のフィルムを使用。

 ところが、せっかく大きなオーロラが出ても見逃す観光客が結構多い。インターネット(スマートホン)でリアルタイム情報をモニターできるようになってすらそうなのだ。その主な理由は、オーロラの形態や色がきちんと理解されていないことにあろう。本稿では、大きなオーロラを見逃さないコツをお伝えしたい。

 オーロラの大部分は、

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