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彗星探査の難しさ

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 アイソン彗星が29日に太陽に最接近する。しばらくは太陽の明るさが邪魔をして見えないが、もしも太陽に近づいた際に分裂等をしなければ、年末にかけて大きな尾が冬空に見えるだろう。

 彗星は大昔から存在が知られている割に謎が多い。その最大の理由は、主な大彗星が一期一会のタイプで計画的な観測が難しいことにある。周期的にやってくる彗星もあるが、大彗星はいずれも周期が長く、ハレー彗星だと75年程度に1度しか太陽に近づかない。近年になって、10年以下の周期で回る彗星がいくつも見つかり探査機が飛ぶようになったが、それでも、表に記すように数は少なく、1986年のハレー彗星探査以降、これまでに無事観測したのはわずか3機である。

拡大(*) スターダスト探査機は「はやぶさ」と同じくサンプルを持ち帰ったが、これは尾部に流れた物質を採集するという易しい方法をとっており、「はやぶさ」のように表面からサンプルしたわけではない。

 アイソン彗星や彗星一般については国立天文台のサイトに詳しいので割愛して、ここでは彗星がらみのさまざまな謎を簡単に紹介したい。

たくさんの謎

(1)小惑星との区別が難しい

 太陽系の天体のうち惑星や準惑星以外を小天体と呼び、その中に小惑星と彗星がある。氷などの揮発成分が太陽接近時に蒸発して尾部を形成するのが彗星、それ以外を小惑星とみなすのが一般的で、さらに彗星は円軌道から極端に外れていて、小惑星は円軌道からあまり外れないと説明されてきた。少なくとも私は中学理科でそう習った。ところが観測が進むにつれ、小惑星と思われていた小天体が突然尾部を形成する例や、彗星だったはずの小天体が尾部を形成しなくなる例が見つかるようになり、今では両者の区別が曖昧になっている。

 もしかすると、

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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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