2013年11月27日
彗星は大昔から存在が知られている割に謎が多い。その最大の理由は、主な大彗星が一期一会のタイプで計画的な観測が難しいことにある。周期的にやってくる彗星もあるが、大彗星はいずれも周期が長く、ハレー彗星だと75年程度に1度しか太陽に近づかない。近年になって、10年以下の周期で回る彗星がいくつも見つかり探査機が飛ぶようになったが、それでも、表に記すように数は少なく、1986年のハレー彗星探査以降、これまでに無事観測したのはわずか3機である。
アイソン彗星や彗星一般については国立天文台のサイトに詳しいので割愛して、ここでは彗星がらみのさまざまな謎を簡単に紹介したい。
(1)小惑星との区別が難しい
太陽系の天体のうち惑星や準惑星以外を小天体と呼び、その中に小惑星と彗星がある。氷などの揮発成分が太陽接近時に蒸発して尾部を形成するのが彗星、それ以外を小惑星とみなすのが一般的で、さらに彗星は円軌道から極端に外れていて、小惑星は円軌道からあまり外れないと説明されてきた。少なくとも私は中学理科でそう習った。ところが観測が進むにつれ、小惑星と思われていた小天体が突然尾部を形成する例や、彗星だったはずの小天体が尾部を形成しなくなる例が見つかるようになり、今では両者の区別が曖昧になっている。
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