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「素粒子から宇宙へ」ファビオラ・ジャノッティ博士講演会(下)

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

場というものがそこにあるという話をしましたけれども、それの感じとしては例えば「のり」とか「マーマレード」とか、なんかちょっとベタベタしたものだというふうに思ってください。その中を粒子、つまり小さなボールが通っていくわけですけれども、例えばそのボールの表面がツルツルだと、周りにベタベタするものがあっても気が付かずに、そのままスーッと行きます。でも、ボールの表面がギザギザしていると、周りのベタベタしていたものがたくさんくっついて、進むのが難しくなってしまいます。これが、粒子がヒッグス場と反応することで質量をもらう仕組みです。こうしていろんな素粒子が質量を得ることになった。こういうお話をすると、たぶん皆さんから質問があるんではないでしょうか。そんなことが分かったって何になるの、と。

 実は

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