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「素粒子から宇宙へ」ファビオラ・ジャノッティ博士講演会(下)

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

場というものがそこにあるという話をしましたけれども、それの感じとしては例えば「のり」とか「マーマレード」とか、なんかちょっとベタベタしたものだというふうに思ってください。その中を粒子、つまり小さなボールが通っていくわけですけれども、例えばそのボールの表面がツルツルだと、周りにベタベタするものがあっても気が付かずに、そのままスーッと行きます。でも、ボールの表面がギザギザしていると、周りのベタベタしていたものがたくさんくっついて、進むのが難しくなってしまいます。これが、粒子がヒッグス場と反応することで質量をもらう仕組みです。こうしていろんな素粒子が質量を得ることになった。こういうお話をすると、たぶん皆さんから質問があるんではないでしょうか。そんなことが分かったって何になるの、と。

 実は

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筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)、編集委員を経て科学コーディネーターに。2021年9月に退社。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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