2013年12月26日
前回は、数値データに基づいて組織としてのプリンストン大学を概観した。今回は、その教育内容について紹介したい。といっても、これは先方の教員との個人的な会話、前回も述べたDeputy Dean of the Collegeとの面談、およびその際に頂いた、よりすぐれた教育に向けての中間報告書である「プリンストン大学の学部教育」という文書の草稿の内容が主たる情報源である。つまり、私が直接経験したわけではなく誤解している部分もありうることをあらかじめお断りしておく。
この文書の序章には「すべての学生はプリンストン大学へ入学を申請するのであり、個別の学科やプログラムへ申請するのではない」と明記されている。その通り、プリンストン大を含む米国の多くの大学では、入学時には専攻が決まっていない。理系、文系という区別すらない。もちろん、学生は入学時にはある程度の方向性は決めているだろうが、入学後、各学科が課している科目の単位を取得すれば基本的には希望する学科に進学できる。そのため、まだ進学先が決まっていない1、2年生に対する講義は、優秀な学生をリクルートするという学科の視点からも極めて重要となる。結果として、米国では入学直後の学生に対して、各学科を代表する著名教員が優れた講義を行う例が多い。
リチャード・ファインマンが
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