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プリンストン大学と教養教育 (2)

須藤靖  東京大学教授(宇宙物理学)

 前回は、数値データに基づいて組織としてのプリンストン大学を概観した。今回は、その教育内容について紹介したい。といっても、これは先方の教員との個人的な会話、前回も述べたDeputy Dean of the Collegeとの面談、およびその際に頂いた、よりすぐれた教育に向けての中間報告書である「プリンストン大学の学部教育」という文書の草稿の内容が主たる情報源である。つまり、私が直接経験したわけではなく誤解している部分もありうることをあらかじめお断りしておく。

 この文書の序章には「すべての学生はプリンストン大学へ入学を申請するのであり、個別の学科やプログラムへ申請するのではない」と明記されている。その通り、プリンストン大を含む米国の多くの大学では、入学時には専攻が決まっていない。理系、文系という区別すらない。もちろん、学生は入学時にはある程度の方向性は決めているだろうが、入学後、各学科が課している科目の単位を取得すれば基本的には希望する学科に進学できる。そのため、まだ進学先が決まっていない1、2年生に対する講義は、優秀な学生をリクルートするという学科の視点からも極めて重要となる。結果として、米国では入学直後の学生に対して、各学科を代表する著名教員が優れた講義を行う例が多い。

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筆者

須藤靖

須藤靖(すとう・やすし)  東京大学教授(宇宙物理学)

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。第22期・第23期日本学術会議会員。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に『ものの大きさ』、『解析力学・量子論』、『人生一般二相対論』(いずれも東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『三日月とクロワッサン』、『主役はダーク』『宇宙人の見る地球』(いずれも毎日新聞社)などがある。

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