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 「イノベーション」といえば、「技術革新」という訳語が当てられることが多く、どちらかというと今までにない新しい技術を導入することとイメージされますが、実はそのイメージは幻想に過ぎないのではないかと感じるようになりました。

 筆者は1993年からRubyという名前のプログラミング言語を開発しています。現在Rubyは世界中で広まっており、主にインターネットウェブサイトの構築に使われています。皆さんのお使いのウェブサイトの中にもRubyを使って開発されたものがあるかもしれません。たとえば、有名なレシピサイトのクックパッドはRubyを用いて構築されています。

 長らく日本はソフトウェアには弱い、特に基盤となるソフトウェアは海外産ばかりだと言われてきました。確かにマイクロソフトにアップルにグーグルと、私たちが頻繁に用いるソフトウェアは海外で開発されたものが目立ちます。そんな中にあってRubyは日本人によって設計され、世界に広まった稀有なソフトウェアとしても注目されています。多くの方がこれは「イノベーション」だと褒めてくださいます。最初のうちはこのように褒められるのはありがたいようなくすぐったいような気持ちだったのですが、

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筆者

まつもと ゆきひろ

まつもと ゆきひろ(まつもと・ゆきひろ) ソフトウェア技術者、Ruby設計者

オブジェクト指向プログラミング言語Rubyの設計者。本名・松本行弘。1965年生れ、鳥取県出身。「世界でもっとも知られた日本人プログラマー」として各方面で活動している。ネットワーク応用通信研究所フェロー、楽天技術研究所フェロー、角川アスキー総合研究所主席研究員、米Heroku社チーフアーキテクトなど肩書き多数。島根県松江市在住。【2015年3月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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