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うま年に考える:日本人は動物の扱いが苦手か?

楠瀬良 楠瀬良

オルフェーブルの圧勝

 2013年の中央競馬は、有馬記念オルフェーブルの8馬身差での圧倒的勝利の余韻の中で幕を閉じた。本当に強い勝ち方で、なんでこの馬がフランス凱旋門賞で勝てなかったのか、と訝しく思ったファンも多かったのではないだろうか。凱旋門賞2着は勝負の綾だったのかもしれない。

 それにしても日本で生まれ育ったサラブレッドも強くなったものである。日本に初めてサラブレッドが輸入されたのは明治10年、今から137年前のことである。以来、海外から優秀な成績をあげた競走馬を輸入して、種牡馬として供用することでサラブレッドの改良が進められた。

 海外のメディアから「日本は名馬の墓場である」と揶揄された時代が長く続いた。かつて日本の競馬はいわば“鎖国”状態だった。日本からの競馬情報の発信は少なく、馬産地の保護という理由から、外国で生産された馬は出走できるレースが限られていた。ましてや、海外の現役競走馬が日本の競馬で走ることはなかった。遠く極東の国、日本に行ってしまった名馬はその後どうなったのか?その産駒は活躍しているのか? そうした疑問に答える情報の少なさが「名馬の墓場」というフレーズになったのである。

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