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日経新聞の「半導体興亡史」に物申す(上)   日立と東芝の差を生んだ本当の理由

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

 日経新聞が、『日曜に考える』というコラムで、「シリーズ検証 半導体興亡史」という連載を始めた。1月5日の第1回目は「巨艦日立 激流に沈む」と題して日立と東芝の半導体になぜ大きな差が生じたのかを論じ、1月12日の第2回目は「盛衰の岐路 続いた誤算」と題してNECの半導体が壊滅した原因を追究している。

 このシリーズがどこまで続くかは知らないが、少なくとも上記二つの記事の主張に大きな違和感を覚えた。はっきり言えば、「その論考は的外れ」と感じた。本稿では、第1回の記事に対する筆者の反論を述べる。

 現在、東芝の半導体は、日経新聞が書いている通り、「四日市工場で世界の半分のフラッシュメモリをつくっている」。つまり、ほとんど壊滅と言える日本半導体の中では、ソニーのイメージセンサと並んで、東芝は今なお世界と対等に戦っている。

 一方、日立の半導体の末裔であるDRAM専業メーカー・エルピーダは、2012年2月に経営破綻して米マイクロンテクノロジーに買収された。また、SOCや車載半導体マイコンを専業とするルネサスは破綻寸前となって、産業革新機構を中心とする官民連合に買収された。なお、SOCとはSystem on Chipの略で、ワンチップ上にプロセッサやメモリなど必要とする機能を集積させた半導体チップのことである。

 なぜこのような差がついたのか?

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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