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 1月から2月前半にかけては、1年で一番寒い季節だ。電離層などの超高層だと寒波のピークが前にずれて冬至近くになるが、地上付近は赤道近くを除けば冬至から1〜2カ月後が一番寒い。私の住むスウェーデン・キルナ市(北緯68度)も同様で、今年も例年通りに寒波がやってきて、1月後半には氷点下20度(高台)〜氷点下40度(谷間)が半月以上続いた。

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 同様の寒波は北米も襲い、ニューヨークで氷点下17度が記録されたというニュースも1月上旬にあった。しかし、氷点下10度以下ともなると、多くの日本人には簡単に想像できまい。

 というのも、21世紀に入ってから県庁所在地で氷点下10度以下を記録したことのあるのは札幌(毎年)、盛岡(ほぼ毎年)、長野(8日)、青森(4日)の4市だけだからだ。寒さを示す指標だって、最低気温がセ氏0度未満になる「冬日」と最高気温がセ氏0度未満の「真冬日」の2種類しかない。だから、氷点下10度以下は何度であっても「有り得ない寒さ」で片付けられるきらいがある。

 しかし、地球科学者の楽しみである「寒さ特有の美しい自然現象」は、氷点下10度以下、氷点下20度以下、氷点下30度以下のそれぞれで、本格的に見られるものが大きく異なる。10度ごとの違いは氷点下であっても大きいのだ。

 そこで、本稿では日本で珍しくなった氷点下10度の現象のうち氷に関するものを紹介したい。

(1)パウダー雪 ・・・ログインして読む
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筆者

山内正敏

山内正敏(やまうち・まさとし) 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員

スウェーデン国立スペース物理研究所研究員。1983年京都大学理学部卒、アラスカ大学地球物理研究所に留学、博士号取得。地球や惑星のプラズマ・電磁気現象(測定と解析)が専門。2001年にギランバレー症候群を発病し1年間入院。03年から仕事に復帰、現在もリハビリを続けながら9割程度の勤務をこなしている。キルナ市在住。

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