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リニア新幹線の環境アセスに不満続出

高橋真理子 朝日新聞科学コーディネーター

 JR東海が進めているリニア中央新幹線の環境影響評価(アセスメント)に、「時計の針が何十年も戻ったようだ」という批判が出ている。米国から30年遅れと言われながらも環境アセスの理念と手法が浸透してきた日本で、JR東海のやり方は「あまりに後ろ向き」と専門家たちから不満の声が上がっているのだ。法で定められた手順にのっとり昨年9月に「環境影響評価準備書」が提出され、現在は各自治体で専門家による審査が進められている。その答申を踏まえて東京都から愛知県までの6都県の「知事意見」が3月に出る段取りだが、詳細データの開示を求めても応じないJR東海の姿勢に「これでは評価もできない」と委員たちは戸惑い、怒る。JR東海よ、これでいいのか?

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 工事を始める前に環境にどのような影響を及ぼすかを事業者が自分で調べて予測、評価する。その結果を公表して住民や地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえてより良い事業計画を作り上げるのが環境アセスメントだ。

 世界で初めて制度化したのは米国で、1969年に「国家環境政策法」を制定した。日本でも同様の制度が必要だという声が出て、

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筆者

高橋真理子

高橋真理子(たかはし・まりこ) 朝日新聞科学コーディネーター

朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』、共著書に『村山さん、宇宙はどこまでわかったんですか?』『独創技術たちの苦闘』『生かされなかった教訓-巨大地震が原発を襲った』など、訳書に『ノーベル賞を獲った男』(共訳)、『量子力学の基本原理 なぜ常識と相容れないのか』。

 

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