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希望退職の鉄則:転職先が決まるまで辞めるな

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

 ソニーが5000人を削減するリストラを発表した。私の周りの半導体や電機関係者の間では、誰が早期退職したとか、誰がどこに転職したとかいう話が飛び交っている。嗚呼、またこれで悲惨な技術者が増えると思うと憂鬱な気分になる。

 先日も日立時代の元上司から、リストラに関する話を聞かされた。2013年にルネサスエレクトロニクスを希望退職した50歳の半導体技術者が、転職先が見つからず困っているという。そして、この元上司に「何とか転職先を紹介してもらえないか」と泣きついてきたという。

 「どう思う?」と聞かれて、私はちょっと冷酷のようだが「退職してから転職先を探そうとしても無理ですよ。先に転職先の内定をもらっておくべきで、残念ながら順序が間違っています」と答えた。元上司も、「そうだよな」とうなずいた。「順番が間違っている」ことについて、もう少し、詳しく説明しよう。

 アベノミクス効果なのか、多くの半導体や電機メーカーの業績が上向き、黒字回復しつつある。にも関わらず、冒頭のソニーのように、2011年以降に相次いでいる各社のリストラが止む気配は、まるでない。

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 表1に示した通り、半導体では、ルネサスが1万人以上の希望退職を出したが、2015年度までにさらに5400人を削減すると発表している。パナソニックは半導体関係社員を1万4000人から7000人に削減すると発表し、富士通セミコンダクターは既に1963人が希望退職している。電機では、ソニー、NEC、TDKが1万人、富士通が5000人規模の人員削減を発表し、既にシャープやリコーでも数千人が希望退職している。公表された数字だけでも、半導体は2万5000人以上、電機などは5万人以上の社員が職を失ったか、失いつつある。

 私は2000年のITバブル崩壊の時に早期退職勧告を受け、2002年に日立を退職した。この時のリストラも酷かったが、ここ数年はそれを遥かに上回る厳しさとなっている。半導体や電機の技術者にとっては受難の時代だ。

 リストラに遭った先輩(?)として、今その苦境に直面している技術者にアドバイスするならば、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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