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 夏季、冬季にかかわらず、筆者は個人的にオリンピックをみるのが苦手だ。と言っても、嫌いという意味ではない。むしろその逆で、人並み以上に感動しながら日本選手の応援をしているのだが、心の底に何かしら座り心地の悪さが付きまとう。今回のソチ五輪でも、それに関連していくつかのアイロニカル(皮肉)な発見があった気がしている。

 ちょうどソチ五輪で盛り上がっているときに、元陸上選手の為末大さん(400mハードル日本記録保持者、五輪も3大会連続出場) と、昨年10月に続いて再度対話できる機会もあった(第2、3回「為末大 vs. 下條信輔 対談セミナー」2月1日/22日、於京都大学こころの未来センター)。そこでその内容も含めてリポートしたい。

拡大作家、慶応義塾大学講師の竹田恒泰氏

 「アイロニカルな発見」と書いたが、一言でいえば、それは「五輪は逆説に満ちている」ということだ。つまり、パラドックス(矛盾)がいくつもある。その第一は、やはりナショナリズムに関することだ。

 皇室の縁戚で日本オリンピック委員会(JOC)会長の子息でもある竹田恒泰氏が、「負けたのにヘラヘラと『楽しかった』はあり得ない」などと、一部の日本選手を批判した(J-CASTニュースなどによる)。

 これに対して為末さんは 、 ・・・ログインして読む
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筆者

下條信輔

下條信輔(しもじょう・しんすけ) 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授

カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授。認知神経科学者として日米をまたにかけて活躍する。1978年東大文学部心理学科卒、マサチューセッツ工科大学でPh.D.取得。東大教養学部助教授などを経て98年から現職。著書に『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書)『〈意識〉とは何だろうか』(講談社現代新書)など。

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