2014年03月14日
夏季、冬季にかかわらず、筆者は個人的にオリンピックをみるのが苦手だ。と言っても、嫌いという意味ではない。むしろその逆で、人並み以上に感動しながら日本選手の応援をしているのだが、心の底に何かしら座り心地の悪さが付きまとう。今回のソチ五輪でも、それに関連していくつかのアイロニカル(皮肉)な発見があった気がしている。
ちょうどソチ五輪で盛り上がっているときに、元陸上選手の為末大さん(400mハードル日本記録保持者、五輪も3大会連続出場) と、昨年10月に続いて再度対話できる機会もあった(第2、3回「為末大 vs. 下條信輔 対談セミナー」2月1日/22日、於京都大学こころの未来センター)。そこでその内容も含めてリポートしたい。
「アイロニカルな発見」と書いたが、一言でいえば、それは「五輪は逆説に満ちている」ということだ。つまり、パラドックス(矛盾)がいくつもある。その第一は、やはりナショナリズムに関することだ。
皇室の縁戚で日本オリンピック委員会(JOC)会長の子息でもある竹田恒泰氏が、「負けたのにヘラヘラと『楽しかった』はあり得ない」などと、一部の日本選手を批判した(J-CASTニュースなどによる)。
これに対して為末さんは 、
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