2014年03月25日
STAP細胞は、科学関連のニュースとしては異例の関心をひく事態になってしまっている。先週は、専門誌ネイチャーに掲載された論文に寄せられた疑義に対して、理化学研究所による調査の中間報告会見が4時間近くもの時間をかけて行われた。
「理化学研究所(理研)」と聞いて私の頭に真っ先に浮かぶのは、昭和初期に 数年理研に在籍した朝永振一郎先生の『科学者の自由な楽園』等の軽妙洒脱なエッセイである。のちにノーベル物理学賞を受けた朝永先生は、理研の当時の雰囲気をこんな風に書いていた。
「よい研究者たちがそこへいって研究したいという意欲をそそる環境を生み出すこと(がよい研究所をつくるために一番肝心なこと)だ。研究にとって何より必須の条件は、なんといっても人間である。そして、その人間の良心を信頼して全く自主的に自由にやらせてみることだ。よい研究者は何も外から命令や指示がなくても、何が重要であるか自ら判断できるはずである」(『科学者の自由な楽園』朝永振一郎著 岩波文庫)。
現在の理研は、果たしてどういう雰囲気なのだろうか。
中間報告の会見の中で、
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